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AIエージェントのツール:まとめる上限と作らないツールを先に書く

ツールをまとめてよいのは人が途中で見なくてよい操作だけで、残りは作らないツールとして書きます。

この記事の要点

  • まとめてよいのは、途中で人が見なくてよい操作だけ
  • 取り消せない操作は、ほかの操作と同じツールに畳み込まない
  • ツール表に「作らないツール」の欄を足し、代わりの済ませ方も書く
  • ツールを足す依頼は、保守の範囲の外で見積もり直す

全体像図を準備中

目次

途中で人が見なくてよい操作だけをまとめる

A&Aの考え方

AIエージェントのツールとは、AIが自分で手順を選んで仕事を進めるときに、途中で呼び出す機能のことです。複数の操作を一つのツールにまとめてよいのは、途中で人が見なくてよい操作だけです。

出典に基づく事実

AIのClaudeを開発するAnthropicは、エージェント向けのツールの作り方を書いた技術記事を出しています。同じ資源を持った人が仕事を区切って解くのと同じやり方で、エージェントも解けるようにするのがツールだ、と書かれています。

Anthropic ↗

出典に基づく事実

同じ記事は、ツールを使えば、途中の出力に使われるはずだった分、モデルが読む量も減らせる、と書いています。既存のソフトの機能や、それを外から呼び出す窓口(API)をただ包んだだけのツールは、よく見られる誤りとして挙げられています。

Anthropic ↗

出典に基づく事実

ツールが多すぎたり重なっていたりすると、エージェントが効率のよい進め方から逸れることがある、とも書かれています。重なりは、できることを減らすのではなく、選び方を乱すものとして書かれています。

Anthropic ↗

A&Aの考え方

どの工程をそのまま渡し、どの工程をまとめ直すかは、別の記事に書きました。この記事を書いているAutomate & Augment(A&A)の「AIエージェントの外注見積もり:既存APIを渡すか道具を作り直すか」です。

A&Aの考え方

ここで扱うのは、その先の問いです。まとめる判断は、どこで止まるのか。A&Aは、この上限を、その操作の途中で人が見る必要があるかどうかで決めます。

A&Aの考え方

人が見なくてよい操作だけなら、一つのツールにまとめても、人が止める場所は減りません。見る必要がある操作をまとめた瞬間に、止める場所がツールの中に隠れます。

仮想例

たとえば、請求の問い合わせに答えるエージェントを受託で作るとします。担当者は今、契約の内容、請求の履歴、過去のやり取りの三つを開いてから返事を書いています。

仮想例

この三つを読む操作は、どれも途中で人が見る必要がありません。顧客に何かが起きるわけでもありません。三つの呼び出しは、一つのツールにまとめられます。

取り消せない操作は、同じツールに畳み込まない

A&Aの考え方

取り消せない操作は、ほかの操作と同じツールに畳み込みません。返金の実行、顧客への送信、在庫の確定がこれにあたります。ここが、人が止める場所だからです。

A&Aの考え方

先ほどの例では、契約と請求と履歴をまとめて読むツールを一つ作り、返金の実行は別のツールに残します。読むところまでを一息にし、実行だけを外に出す切り方です。

A&Aの考え方

取り消せるかどうかで実行の線を引く考え方は、A&Aの「AIに実行まで任せる線引き:金額ではなく、取り消せるかで決める」に書きました。ここでは、任せると決めた後の切り方を扱います。

出典に基づく事実

技術記事は、エージェントが誤る型を四つ挙げています。まちがったツールを呼ぶ、正しいツールをまちがった値で呼ぶ、呼ぶツールが少なすぎる、返ってきた結果の扱いを誤る、の四つです。

Anthropic ↗

出典に基づく事実

同じ記事は、仕事の自然な区切りをそのまま名前にしたツールを選べば、こうした誤りが全体として減る、と書いています。

Anthropic ↗

A&Aの考え方

A&Aは、この自然な区切りに、人が止める場所も入ると読みます。出典は、操作を取り消せるかどうかについては述べていません。この線の引き方はA&Aの読みです。

A&Aの考え方

まとめることには、逆の費用もあります。一つにまとめた操作は、途中で止められません。部分的なやり直しもできません。

A&Aの考え方

だから、まとめる判断はこの費用を払ってよい所で止めます。払ってよいのは、途中で人が見なくてよい操作だけです。

請求の問い合わせに答えるエージェントの仮の例。まとめる操作と、別のツールに残す操作。
操作扱い理由
契約の内容を読むまとめる途中で人が見る必要がない
請求の履歴を読むまとめる途中で人が見る必要がない
過去のやり取りを読むまとめる途中で人が見る必要がない
返金を実行する別のツールに残す取り消せない
請求書を発行する作らないツールに置く取り消せない。担当者が今の画面から出す

ツール表には「作らないツール」の欄を足す

A&Aの考え方

ツール表には、作るツールだけでなく「作らないツール」の欄を足します。まとめる上限を決めた結果は、作らないと決めた操作の側に出るからです。

出典に基づく事実

技術記事は、少数の考え抜かれたツールを、特定の重要な業務に絞って作り、そこから広げることを勧めています。どのツールを作り、どれを作らないかを選ぶ手間は、あとで効いてくる、とも書かれています。

Anthropic ↗

A&Aの考え方

A&Aは、受託ではこの「作らない」が口頭で消えると考えています。打ち合わせで作らないと言っても、納品物の仕様には作ったツールしか残らないからです。

A&Aの考え方

足す欄は四つです。作らないツールの名前、代わりの済ませ方、作らない理由、そして作るとしたら要るものです。代わりの済ませ方が空の行は、作らないと決めた行ではなく、まだ決めていない行です。

仮想例

たとえば先ほどの請求の例では、請求書を発行する操作を、作らないツールの側に置きます。代わりの済ませ方は、下書きを出し、担当者が今の画面から発行することです。

仮想例

理由は、取り消せない操作だからです。作るとしたら、発行の取り消し手順と、誰が押すかの取り決めが要ります。この二つが決まるまで、行は作らない側に置いたままにします。

出典に基づく事実

同じ技術記事は、関連するツールを、名前の先頭に共通の語を付けてまとめること(名前空間)が、多数のツールの境界を区切る助けになる、と書いています。サービスごと、資源ごとに先頭の語を付ける例が挙げられています。

Anthropic ↗

A&Aの考え方

A&Aは、この先頭の語を、顧客にも見せる名前として使えると読みます。顧客のシステムごとに先頭の語をそろえると、どのツールがどのシステムに触るかが、表を見ただけで分かります。

ツールを足す依頼は、保守の範囲の外で見積もる

A&Aの考え方

納品の後に来る「この操作もできるように」という依頼は、保守の範囲の外で見積もり直します。ツールを一つ足す話に見えて、実際にはまとめる上限を引き直す作業だからです。

A&Aの考え方

足した操作が取り消せない操作なら、すでにあるツールの切り方も変わります。読むところまでを一息にしていたツールから、その操作を外に出し直すことになります。

出典に基づく事実

AIエージェントを業務に組み込む製品を提供するLindyという会社があります。その技術責任者のLuiz Scheidegger氏は、Anthropicが公開する事例ページで、モデルを選んだ理由を話しています。

Anthropic ↗

出典に基づく事実

挙げられているのは、予定の調整や、条件が言葉で書かれているような込み入った仕事で、ツールをより正しく呼び出せたことです。

Anthropic ↗

A&Aの考え方

A&Aは、込み入った仕事ほどツールの呼び出しが難所になる、という話だと読みます。同じページにある成長率や生産性の数値は、定義と母集団が書かれていないため、小さな受託の見込みには使いません。

A&Aの考え方

作らないツールの表があると、追加の依頼は、表のどの行を作るか、という話になります。行には理由と、作るとしたら要るものが、すでに書いてあります。

A&Aの考え方

そこから、検収条件と保守の範囲を一緒に決め直せます。表に無い操作が来たときは、まず行を足し、上限の判定をやり直します。

A&Aの考え方

A&Aは、ツールの粒度と、納品後の不具合件数や保守工数の関係を測っていません。ツールの個数の目安も示しません。ここで言えるのは、決めた線を書き残す場所を作るところまでです。

まとめ

A&Aの考え方

ツールをまとめてよいのは、途中で人が見なくてよい操作だけです。取り消せない操作は、ほかの操作と同じツールに畳み込みません。

A&Aの考え方

ツール表には「作らないツール」の欄を足し、代わりの済ませ方、作らない理由、作るとしたら要るものを書きます。

A&Aの考え方

納品の後に来る追加の依頼は、その表の行として扱い、保守の範囲の外で見積もり直します。

ツールをまとめてよいのは、途中で人が見なくてよい操作だけです。取り消せない操作は、ほかの操作と同じツールに畳み込みません。ツール表には「作らないツール」の欄を足し、代わりの済ませ方、作らない理由、作るとしたら要るものを書きます。納品の後に来る追加の依頼は、その表の行として扱い、保守の範囲の外で見積もり直します。

よくある質問

作らないツールを先に書くと、できない受託先だと思われませんか。

行には、代わりの済ませ方を必ず書きます。できないという記述ではなく、どう済ませるかの記述になります。作るとしたら何が要るかも同じ行にあるので、顧客はその場で足すかを決められます。

ツールは何個までにすべきですか。

個数の目安は示しません。出典も個数ではなく、少数から始めて広げる順序を勧めています。決めるのは数ではなく、まとめてよい操作の範囲です。

既存のAPIをそのまま渡してはいけないのですか。

一つの操作で済み、返る情報が少ない工程なら、そのまま渡して構いません。この記事が扱うのは、まとめると決めた後にどこで止めるかです。渡すか作り直すかの決め方は、別の記事に書きました。

出典・編集情報

記事の調査で確認した一次資料です。資料の公開・更新時期と、調査時の確認日を分けて記載しています。

  1. Writing effective tools for AI agents

    Anthropic · 2025-09-11

    確認日 2026-10-25
  2. Lindy empowers teams to scale with AI Agents powered by Claude

    Anthropic · undated case-study page; no visible publication date

    確認日 2026-10-25

編集方針

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