AIが人に回した問い合わせ:担当不在の時間の待ち場所を決める
AIが人に回した問い合わせは、担当が決まるまでの待ち場所と、拾う担当を先に決めます。
この記事の要点
- 引き継ぎ宣言の後は、担当未定・担当決定・返信済みを分けて記録する
- 担当がいない夜は、すぐつなぐとは返さず、後日担当が対応すると伝える
- 担当未定のまま残った問い合わせは、朝に拾う担当を決める
全体像図を準備中
目次
引き継ぎ宣言と担当決定は別に記録する

A&Aの考え方
AIの引き継ぎ宣言とは、AIが問い合わせを人に回すと決め、顧客に「担当に引き継ぎます」と返した時点のことです。この時点では、まだ誰もその問い合わせを引き受けていません。担当が決まった時点と、担当が返信した時点は、それぞれ別に記録します。
出典に基づく事実
顧客管理と問い合わせ対応のソフトを提供するHubSpotは、AIの窓口が人に引き継ぐ時の設定を公開しています。既定では、AIが答えられない時、相手が人との会話を求めた時、AIが一時停止している時に、人へ引き継ぎます。解約や返金などの語が出たら引き継ぐ、という指示も足せます。
出典に基づく事実
同じ文書は、引き継ぎの進み具合を3つの状態で示しています。AIが対応している状態、AIが人に回すと決めたが、まだ担当が決まっていない状態、担当が決まった状態です。2つ目の状態では、手作業で担当を割り当てる必要が出ることがある、と書いています。
A&Aの考え方
この記事を書いているAutomate & Augment(A&A)は、HubSpotの文書が「人に回した」と「担当が決まった」を別の状態に分けている点を重く見ます。顧客には「引き継ぎます」と届いていても、社内ではまだ誰の仕事にもなっていない時間がある、ということだからです。
A&Aの考え方
自社の窓口がHubSpotでなくても、記録の区切りは作れます。A&Aの設計案は、人に回した問い合わせに「担当未定」「担当決定」「返信済み」の3つを持たせることです。返信済みはHubSpotの3つの状態には無く、顧客に人の返事が届いたかを見るためにA&Aが足す区切りです。
仮想例
たとえば、ホームページの保守を月額で請け負う会社を考えます。社員4人と業務委託の数人で回し、問い合わせの一次返信はAIに任せています。解約や返金の相談は人に回すよう、AIに指示してあります。
A&Aの考え方
人に回す条件の決め方は「問い合わせをAIで受ける前に:解決率より誤った解決と引き継ぎを数える」で扱いました。
仮想例
夜23時に、ある顧客から「来月で解約したい」と届いたとします。AIは指示どおり人に回し、「担当に引き継ぎます」と返します。記録が「引き継ぎ済み」の1つしかないと、翌朝の一覧では、担当が決まった件と決まっていない件の見分けがつきません。
A&Aの考え方
担当未定の件だけを並べた一覧があれば、朝に誰かが見るべき件がはっきりします。AIから人に回った件数を数える前に、まずこの一覧を1つ用意します。この一覧のように、担当が決まるまで問い合わせを置いておく所を、この記事では待ち場所と呼びます。
担当がいない夜は、後日担当が対応すると伝える

A&Aの考え方
担当がいない時間に人へ回す時は、AIの返信で「すぐおつなぎします」と言わず、いつ頃に連絡するかを伝えます。担当がいないと分かっている時間に即時の引き継ぎを約束すると、顧客はすぐ人が来ると思って待つのに、社内では朝まで誰の仕事にもならないためです。
出典に基づく事実
HubSpotの文書では、引き継ぎの方法を3つから選べます。次に空いた担当へすぐ割り当てる方法、後で対応する担当に割り当てる方法、引き継がずにAIが答え続ける方法です。担当がいる時といない時で、顧客に見せる文を分けて書くこともできます。
出典に基づく事実
割り当ては、担当がその時に対応できる状態かどうかに基づきます。チーム単位だけで割り当て先を指定すると、この状態を見ないため、誰もいなくても引き継ぎが行われる、と文書は注意しています。勤務時間を扱う別の文書は、勤務時間外の担当は不在の扱いになり、自動の割り当ての対象から外れると書いています。
A&Aの考え方
A&Aは、ここから2つのことを読み取ります。1つは、夜は担当が自動では決まらない前提で設計することです。もう1つは、担当がいない時に顧客へ見せる文を、いる時の文とは別に用意することです。
仮想例
先ほどの保守会社なら、夜の解約の相談には、たとえば「解約のご相談を受け付けました。担当者が翌営業日の午前中にご連絡します」と返します。翌営業日の午前という期限は、朝に拾う担当が守れる範囲で会社が決めます。
A&Aの考え方
この返信文は、顧客の待ち時間を短くするものではありません。待つ長さを先に伝え、顧客が夜のうちに何度も連絡しなくて済むようにするものです。
A&Aの考え方
夜間もすぐに対応が要る連絡は、この返信文で翌日に回しません。保守会社なら、サイトが表示されないといった障害の連絡がそれに当たります。こうした連絡は、夜の当番と連絡先を別に決めておきます。
仮想例
時間帯ごとの返し方は、引き継ぎ表にまとめておきます。引き継ぎ表は、時間帯や相談の種類ごとに、待ち場所と顧客への案内、拾う担当と期限を並べた表です。先ほどの保守会社なら、たとえば次のようになります。
| 時間帯・状況(仮の例) | 待ち場所と顧客への案内 | 拾う担当と期限 |
|---|---|---|
| 平日の日中で手の空いた担当がいる | すぐ担当へ回し、AIから担当者に代わると伝える | 自動で決まらなければ日中の受付当番の社員が当日中に |
| 平日の日中で全員が手一杯 | 担当の手が空くまで並べておく待ち場所に置き、待つ目安を伝える | 待ち場所で待てる時間の上限を過ぎた件を日中の受付当番の社員が当日中に |
| 夜間と休日 | 担当未定の一覧に置き、翌営業日の午前に連絡すると伝える | 名前で決めたその日の受付当番が始業から1時間以内に |
| 解約と返金の相談 | 時間帯によらず担当未定の一覧に置く | 経営者が担当。夜に届いた件は翌営業日の午前に連絡 |
担当未定で残った件は朝に拾う人を決める

A&Aの考え方
待機列から外れた件、待機列の対象外の手段から届いた件、夜に届いた件は、担当未定の一覧に集めます。そのうえで、朝の始業時に誰が拾い、いつまでに担当を決めるかを、担当者の名前まで決めておきます。
出典に基づく事実
HubSpotの待機列の文書は、対象の担当全員が、対応できる件数の上限に達した時の動きを書いています。その時、問い合わせは担当未定の一覧ではなく待機列に置かれます。AIの窓口から引き継がれた問い合わせも対象です。
出典に基づく事実
この仕組みを使うには、管理者が担当ごとの件数の上限を設定する必要があります。待機列はService Hubの上位プランであるProfessionalとEnterpriseの機能で、設定や閲覧には担当の席が要る、と文書は書いています。
出典に基づく事実
担当が全員上限に達している時、待機列の対象から外した受付の手段(たとえばイベントの申し込みフォーム)から届いた件は、待機列に入らず担当未定のまま残ります。チャットや電話といった手段ごとに決めた待ち時間の上限を過ぎた件も、待機列から外れて担当未定のまま残ります。
A&Aの考え方
A&Aは、待機列を担当が手一杯の時間帯の仕組みと読みます。文書が前提にしているのは、件数の上限に達した担当がいる状態で、誰も勤務していない夜の受け皿としては書かれていません。また、文書は、待機列で返信の期限が守られるとは書いていません。
A&Aの考え方
担当が決まらないまま残る問い合わせは、主に3つの形で出ます。待ち時間の上限を過ぎたもの、担当が手一杯の時に待機列の対象外の手段から届いたもの、誰も勤務していない時間に届いたものです。
A&Aの考え方
A&Aの設計案では、これらを担当未定の一覧に集め、始業時に拾う担当と、担当を決める期限を、前の節の引き継ぎ表に書きます。
仮想例
保守会社の例では、拾う担当を曜日ごとの受付当番の社員1人とし、その名前を表に書きます。業務委託の人に回す件も、担当を決めるのはこの1人です。解約と返金の相談だけは、経営者が担当になります。
A&Aの考え方
表の期限は、この会社の仮の例です。自社で決める時は、朝に拾う担当が実際に守れる長さにし、夜のAIの返信文と同じ期限にそろえます。返信文が翌営業日の午前と伝えるなら、担当を決める期限はそれより前に置きます。
まとめ
A&Aの考え方
AIの「引き継ぎます」は、担当が決まった合図ではありません。担当未定、担当決定、返信済みを分けて記録します。
A&Aの考え方
担当がいない夜は、すぐつなぐとは返さず、後日担当が対応すると伝えます。返信文では、翌営業日の午前など、連絡する時期を伝えます。
A&Aの考え方
待機列から外れた件や夜に届いた件など、担当未定のまま残った件は、朝に拾う担当と期限を引き継ぎ表に書きます。
AIの「引き継ぎます」は担当決定の合図ではありません。担当未定、担当決定、返信済みを分けて記録し、担当がいない夜は後日担当が対応すると伝え、担当未定のまま残った件は朝に拾う担当と期限を引き継ぎ表に書きます。
よくある質問
HubSpotを使っていなくても、この分け方はできますか。
できます。問い合わせの記録に担当未定、担当決定、返信済みの区切りを持たせ、担当未定の件だけを見る一覧を作れば始められます。使っている窓口のソフトで、状態の欄や一覧を作れるかを先に確かめます。
待機列を使えば、夜の問い合わせも自動で担当が決まりますか。
決まるとは限りません。HubSpotの待機列は、担当が件数の上限に達した時の仕組みです。勤務時間外の担当は自動の割り当ての対象から外れるので、夜の件は朝に拾う担当を決めておきます。
AIの返信で、担当者の名前まで伝えるべきですか。
名前より、いつ頃に連絡するかを伝える方が、約束と実際をそろえやすくなります。朝に担当を決める運用なら、夜の時点ではまだ担当がいません。担当が決まってから、その人の名前で返信します。
出典・編集情報
記事の調査で確認した一次資料です。資料の公開・更新時期と、調査時の確認日を分けて記載しています。
- Set up and customize customer agent's handoff process
HubSpot · Updated 2026-10-26; original publication date not stated
確認日 2026-11-03 - Use the waitlist in help desk
HubSpot · Updated 2026-10-01; original publication date not stated
確認日 2026-11-03 - Manage user working hours and availability for scheduling pages, inbox, and help desk
HubSpot · Updated 2026-10-19; original publication date not stated
確認日 2026-11-03