サイト内検索で記事が見つからない:AI検索を1カテゴリで足す手順
今の検索は残したまま、意味の近さで記事を探すAI検索を1カテゴリだけ足して比べると、広げるかを決められます。
この記事の要点
- 記事が無いのか言葉が違うのか、見つからない検索を分ける
- 失敗の後に打ち直した言葉を残す。開いた記事と組にする
- 今の検索で出る記事は残し、AI検索で候補を足す
- 1カテゴリで足す前と後で比べる。広げる・別名を足す・記事を書くから選ぶ

目次
見つからない検索を分けると、直す所が決まる

A&Aの考え方
サイト内検索で何も出なかった検索は、記事が無いものと、言葉が違うものに分けると、直す所が決まります。言葉が違うとは、答えの記事はあるのに、読者が打った言葉と、記事の題や本文の言葉が合わないことです。
仮想例
たとえば、社員20人ほどで工場向けの部品を扱う会社を考えます (架空の例です)。顧客はサイトの検索窓に「機械が止まる 原因」と打ちます。答えの記事はありますが、題は「ライン停止を防ぐ点検の手順」です。
仮想例
検索では何も出ないので、顧客は社長に電話します。社長は記事を探して、そのアドレス (URL) を送ります。同じ会社で「海外向けの見積書」と打つ顧客もいます。こちらは、答えの記事がそもそもありません。
A&Aの考え方
どちらも、検索の画面では「何も出ない」という同じ結果です。けれども前者は記事にたどり着けない問題で、後者は記事そのものが足りない問題です。

A&Aの考え方
前者で社長が記事を探して URL を送り直す仕事は、最初に AI に任せる1業務の候補になります。
A&Aの考え方
この記事を書いている Automate & Augment (A&A) は、AI検索で直せるのは前者だけだと考えます。ここで言うAI検索は、言葉の一致ではなく、意味の近さで記事を探す検索のことです。記事が無い、記事が古い、対象の顧客が違うといった問題は、検索の仕組みを変えても解決しません。
A&Aの考え方
そこで、何も出なかった検索を集め、一件ずつ「記事が無い」「言葉が違う」「対象が違う」のどれかに分けます。古くて使えない記事は「記事が無い」に入れます。言葉が違うものが多ければ、次の手順へ進みます。記事が無いものが多ければ、先に記事を書く方が早く効きます。
打ち直した言葉を残すと、読者の言い方が分かる

A&Aの考え方
検索に失敗した直後に読者が打ち直した言葉を残すと、顧客が自社の記事を何と呼ぶかが分かります。打ち直した言葉は、最後に開いた記事と一組にして残します。
出典に基づく事実
音楽とポッドキャスト (音声番組) の配信サービス Spotify は、2022年3月の技術記事で、検索の記録の使い方を書いています。過去の記録から、最初の検索が失敗した後に、言い換えて成功した検索を探しました。
出典に基づく事実
そして、言い換える前の言葉と、見つかった番組の回を組にして、検索に使う AI に覚えさせる材料にしたとしています。言葉がそのまま一致しない組を、覚えさせる材料に入れることが狙いだった、と説明しています。
出典に基づく事実
Spotify の研究部門は2021年8月の記事で、ポッドキャストを探す人について報告しています。音楽を探す人より、検索語の入力と書き直しに多くの時間を使ったとしています。消した文字は平均で53%多く、検索語の文字数は13%長かったとしています。
A&Aの考え方
A&A は、これを「欲しいものの名前を知らない人ほど、言い換えを重ねる」と読みます。B2B の会社の記事も、題を知らない顧客が、自分の困りごとの言葉で探します。打ち直した言葉は、顧客の言い方の見本になります。
A&Aの考え方
残すのは、最初の検索語、打ち直した言葉、最後に開いた記事、本文で答えている箇所の四つです。
A&Aの考え方
記事を開いただけでは、答えが見つかったとは数えません。担当者が本文を読み、答えがあるかを確かめます。古い制度の記事や、別の顧客向けの記事にたどり着いた時は、答えにしません。
A&Aの考え方
検索語の記録が残っていないサイトもあります。その時は、実際に受けた問い合わせから名前や会社名を消し、問いの形に書き直します。担当者が作った仮の問いは、顧客が打った言葉とは分けて保存します。
| 残すもの | 分かること | 残す時の注意 |
|---|---|---|
| 最初の検索語 | 顧客が困りごとを何と呼ぶか | 名前や会社名が混ざることがあるので、消してから移す |
| 打ち直した言葉 | 顧客が自社の記事を何と呼ぶか | 最後に開いた記事と一組にする |
| 最後に開いた記事 | どの記事にたどり着いたか | 開いただけでは、答えが見つかったと数えない |
| 本文で答えている箇所 | 本当に答えが見つかったか | 担当者が本文を読んで確かめる |
今の検索は残し、AI検索で候補を足す

A&Aの考え方
AI検索は、今の検索と入れ替えません。今の検索で出る記事の後に、候補を足す役で入れます。
出典に基づく事実
Spotify の検索は、それまで主に言葉の一致で探していました。けれども、利用者は欲しいものの正確な言葉を打つとは限りません。あいまいな一致や、人の手で登録した別名で補ってきましたが、自然な言い回しの全部は拾えないと技術記事は書いています。
出典に基づく事実
Spotify の技術記事は、英語で「電気自動車が気候に与える影響」にあたる検索の例を挙げています。この検索に、今までの検索は何も返しませんでした。最初は、ポッドキャストの回を探す検索にだけ、意味で探す検索を使いました。ポッドキャストを探す時に一番役に立つと見込んだためだとしています。
出典に基づく事実
それでも Spotify は、今までの検索を置き換えませんでした。理由は二つあります。一つ目は、言葉がそのまま一致する検索では、意味で探す検索が今までの検索ほどうまくいかないことが多いからです。二つ目は、全部の検索で動かすと費用も高いからです。
出典に基づく事実
そこで、意味で探す検索は、候補を足す役にしました。最後に、それぞれの検索の上位の候補を一つの一覧にまとめ、順番を付け直しています。利用者を二つに分けて比べる試験で、ポッドキャストの利用が増えたことを確かめ、多くの利用者に広げたと書いています。

A&Aの考え方
Spotify は上位の候補をまとめて並べ直しました。並べ直しの仕組みを持たない小さな会社のサイトでは、A&A は別の並べ方が合うと考えます。今の検索で出る記事を先に置き、AI検索の候補はその後に足します。題を知っている顧客が今まで通り記事にたどり着ければ、AIを足したせいで困る顧客は出にくくなります。
A&Aの考え方
足す範囲も、まずは1つのカテゴリ (記事を話題ごとに分けたまとまり) に絞ります。先ほどの部品の会社なら、問い合わせの多い保守と点検のコラムだけで試します。絞っておけば、候補が本当に答えかを、担当者が読んで確かめられる量に収まります。
広げるかは、1カテゴリで足す前と後で比べる

A&Aの考え方
AI検索を広げるかは、1カテゴリの中で、答えの記事に届いた割合を足す前と後で比べて決めます。比べる問いは、前の手順で集めた打ち直しの記録や問い合わせから作ります。
出典に基づく事実
Spotify は、人が手で書いた少数の検索語を、評価にだけ使いました。評価に使う番組の回は、AI に覚えさせる材料には入れなかったとしています。
A&Aの考え方
A&A はこれを「確かめに使う問いは、先に取り分けておく」と読みます。たとえば問いを30件集めたら、10件は残しておき、AI検索の設定を直す時には見ません。最後にその10件で、足す前と後を比べます。届いた割合は、その10件を検索窓に打ち、答えの記事が候補に出た件数で数えます。
A&Aの考え方
比べることは三つあります。一つ目は、困りごとの言葉で探した問いが、答えの記事に届いた割合です。二つ目は、題を知っている問いが、今まで通り届くかです。三つ目は、担当者が候補を点検する手間です。
仮想例
費用に見合うかも、仮の例で考えます。社長と担当者が記事を探して URL を送る件が週に10件あり、1件に10分かかるとします。月に約7時間です。この7時間と、AI検索の月額と候補を点検する月の時間を並べます。7時間の方が大きければ、その差で導入の手間を何か月で取り戻せるかを見ます。
A&Aの考え方
結果は三つに分かれます。困りごとの言葉で届く割合が上がり、題で探す問いも落ちなければ、次のカテゴリへ広げます。打ち直しが決まった数個の言い方に集まるなら、記事に別名を足すだけで足ります。記事が無い問いが多ければ、検索より先に記事を書きます。
A&Aの考え方
Spotify の結果は利用の増加で、売上の増加ではありません。小さな会社のサイトで同じ効き目が出るとも限りません。また、問い合わせが減っても、顧客が探すのをあきらめただけなら成功ではありません。届いた記事が本当に答えだったかと合わせて見ます。
まとめ

A&Aの考え方
見つからない検索は、記事が無いものと言葉が違うものに分けます。
A&Aの考え方
打ち直した言葉は、開いた記事と組で残します。
A&Aの考え方
今の検索で出る記事は残し、AI検索で候補を足します。
A&Aの考え方
1カテゴリで足す前と後を比べ、広げるか、別名で足りるか、記事を書くかを決めます。
サイト内検索で記事が見つからない時は、検索を入れ替える前に、記事が無いのか言葉が違うのかを分けます。言葉の違いが多ければ、今の検索を残したまま1カテゴリでAI検索を足し、届く割合を比べて、広げるか、別名で足りるか、記事を書くかを決めます。
よくある質問
問い合わせにAIで答える仕組みとは、何が違いますか。
AIが答えの文を作るのではなく、すでにある記事へ案内する点が違います。答えの文を作る試し方は「問い合わせ対応をAIで試す:まず頻出20件の答えをそろえる」で扱っています。記事はあるのに届かないことが困りごとなら、この記事の手順が先です。
記事が少ないサイトでも、AI検索は要りますか。
要らないこともあります。記事が少なく、打ち直しが決まった数個の言い方に集まるなら、記事の題や紹介文に別名を足す方が早く安く済みます。言い方がばらばらで、担当者なら答えの記事を言い当てられる問いが続く時に、AI検索を試す意味があります。
検索語を残すと、個人の情報が混ざりませんか。
混ざることがあります。顧客が検索窓に名前や会社名、電話番号を打つことがあるためです。残す期間と見る人を決め、名前などを消してから仕分けの表に移します。
出典・編集情報
記事の調査で確認した一次資料です。資料の公開・更新時期と、調査時の確認日を分けて記載しています。
- Introducing Natural Language Search for Podcast Episodes
Spotify Engineering · 2022-03-17
確認日 2026-10-23 - Neural Instant Search for Music and Podcasts
Spotify Research · 2021-08-30
確認日 2026-10-23