商品情報の誤りで返品が増える前に:AIで30商品を確かめる
商品情報の誤りの確認は、返品理由で多い属性を選び、30商品だけAIで照らし合わせて人が直すと、小さく試せます。
この記事の要点
- 返品理由で多い属性を1つ選び、幅などの意味を先に書く
- 30商品だけ、ページと商品の一覧表の食い違いをAIが挙げる
- 写真で決まらない素材は仕入先に確かめる
- 直す前と後で、その属性の返品と問い合わせを数える

目次
返品理由で多い属性を選び、幅などの意味を先に書く

A&Aの考え方
最初に、返品理由で多い属性を1つ選び、その意味を1行で書きます。属性とは、寸法・色・素材のように、商品ページに並ぶ商品の項目のことです。
A&Aの考え方
返品や問い合わせの理由を数か月分並べ、「大きさが違う」「色が違う」のような理由のうち、多いものから選びます。幅を選んだなら、「伸ばせる食卓は、伸ばす前の幅を書く」のように決めておきます。
出典に基づく事実
家具や住まいの品を扱う米国のネット通販の会社 Wayfair は、寸法の誤りの影響を、例を挙げて説明しています。6フィートと書かれたソファが、届いてみると7フィート近くあり、客が返品して探し直すか迷う、という仮の場面です。

出典に基づく事実
高さ・幅・奥行きの取り方を Wayfair がそろえたくても、仕入先が従うとは限らないとしています。掲載の後に一部の値だけが変わり、ほかの記載と照らし合わせないままになることもあるそうです。
出典に基づく事実
「商品の幅はいつでも見れば分かる」と考えるのは誤りだ、と Wayfair は書いています。伸ばせる食卓や組み合わせのソファでは、どこを主な寸法とするかを、人どうしでも合意しにくいことがあるとしています。
出典に基づく事実
ChatGPT を作っている会社 OpenAI も、Wayfair の導入事例を掲載しています。そこでも Wayfair の仕組みは、まず社内の定義と Web の情報から、各ラベルの意味を説明する手引きを作るとされています。AIはその手引きを使って商品情報を見直します。
A&Aの考え方
どちらの仕組みも、AIに見させる前に意味を決めています。意味が決まっていないと、AIが挙げた食い違いが誤りなのか、測り方の違いなのかを、人が判断できません。
30商品の食い違いをAIが挙げる

A&Aの考え方
次に、選んだ属性で返品の多い商品から30商品を選び、ページと商品の一覧表の食い違いをAIに挙げさせます。商品の一覧表とは、自社で寸法や素材を記録している表のことです。
A&Aの考え方
AIには直させず、食い違いとその根拠を挙げさせるだけにします。渡すのは、商品名や説明文などの文と、寸法が分かる画像です。
A&Aの考え方
30商品で試す時も、挙がった食い違いの数より、1件ずつが正しいかを見ます。食い違いごとに、どの文か、どの画像かという根拠を一緒に出させます。
A&Aの考え方
根拠が付いていれば、確かめる人はその所だけを見れば済みます。誤った指摘ばかりなら、AIへの指示か、先に書いた意味の1行を見直します。
A&Aの考え方
一覧表の側が古いこともあるので、食い違いが見つかっても、どちらが正しいかはまだ決めません。決めるのは、次の段で人が確かめてからです。
| 食い違いの種類 | Wayfair の扱い | 30商品で試す時 |
|---|---|---|
| 差が小さい寸法 | 挙げずに外す (細かい依頼で仕入先を疲れさせないため) | 人が見て、直すかを決める |
| 確信が低い変更・危険が大きい変更 | 仕入先が確かめるまで反映しない | 仕入先か現物で確かめてから直す |
| 確信が高い変更 | 直接書き換え、仕入先に知らせる | 確信を見分けられるまでは人が確かめる |
写真で決まらない素材は仕入先に確かめる

A&Aの考え方
AIが挙げた食い違いは、人が確かめてから直します。素材のように写真で決まらないものは、仕入先に問い合わせるか、自社で現物を見て確かめます。
A&Aの考え方
無垢材か、木目を印刷した板かは、写真では見分けられないことがあります。AIが画像から素材を言い切ることもあります。この記事を書いている Automate & Augment(A&A)は、それだけを根拠にページを書き換えない方がよいと考えます。
出典に基づく事実
Wayfair は、仕組みが問題を見つけたら、仕入先に見直しと修正を頼むと書いています。今後、提案する直しが十分に確かになれば、仕入先の確認なしに値を直したい、としています。
A&Aの考え方
裏を返せば、寸法の仕組みでも今は、直す前に仕入先の確認を通しているということです。
A&Aの考え方
30商品で試す段では、確信の高さを自社で見分ける物差しがまだありません。そのため、全部を人が確かめ、素材は仕入先か現物で確かめてから直します。
A&Aの考え方
仕入先の答えが来るまでは、ページを今のままにしておきます。問い合わせた中身と答えは、商品ごとに1行で残します。次に同じ商品で食い違いが出た時、前に何を確かめたかが分かるからです。
直す前と後で、返品と問い合わせを数える

A&Aの考え方
直した後は、直す前と同じ長さの期間で、その属性の返品と問い合わせを数えます。直す前の数は、直した日までの同じ長さの期間から取ります。
A&Aの考え方
数えるものは、注文数・返品・問い合わせ・かかった時間です。まず30商品の注文数で、返品の数と比べる元の数になります。次に、その属性を理由にした返品で、「大きさが違う」などの件数です。
A&Aの考え方
さらに、その属性への問い合わせで、「幅は何cmか」などの件数です。最後に、確かめて直すのにかかった時間で、続ける手間の目安になります。
出典に基づく事実
導入事例によると、OpenAI と組む前の Wayfair では、商品のラベル付けを、仕入先や客から誤りを知らされることに頼っていました。人の手では量に追いつかなかったとされています。
出典に基づく事実
Wayfair で商品情報を担当する責任者は、データの質が高いほど客の信頼が増すと話しています。客が正しく選べるようになり、誤って表示された商品による返品のような、費用のかかる問題を直接減らすとしています。
A&Aの考え方
返品と問い合わせを数えておけば、自社でも、知らされるのを待つだけの状態から一歩進めます。ただし、30商品を数週間見ただけでは返品の数が少なく、直す前と後の差は偶然でも出ます。
A&Aの考え方
そのため、返品が減ったかより先に、食い違いが見つかったか、直せたかを見ます。見つかって直せたら、次の30商品か次の属性へ広げます。
A&Aの考え方
かかった時間は、広げ方を決める材料です。1件を確かめるのに何分かかったかが分かれば、次に見る商品の数を、人の手が回る量に決められます。
まとめ

A&Aの考え方
商品情報の誤りの確認は、全商品をAIに任せる大きな仕事にしなくても試せます。返品理由で多い属性を1つ選んで意味を書き、30商品だけ食い違いをAIに挙げさせ、写真で決まらない素材は仕入先に確かめてから直します。直す前と後の返品と問い合わせを数えれば、続けるかどうかを決める材料が自社に残ります。
商品情報の誤りは、1つの属性と30商品に絞れば、AIに食い違いを挙げさせて人が直す形で試せます。次に決めるのは、どの属性から始めるかです。
よくある質問
AIが見つけた食い違いは、そのまま直してよいですか。
最初は人が確かめてから直します。導入事例では、Wayfair は確信が高い時は直接書き換えて仕入先に知らせ、低い時は仕入先の確認を待つ、とされています。確信の高さを自社で見分けられるようになるまでは、全部を人が見る方が安全です。
なぜ30商品なのですか。
30という数に出典はありません。担当者が1件ずつ根拠を見て確かめられる量として、この記事が置いた目安です。扱う商品が数十点なら、AIを使わず全部を人が見直す方が早いこともあります。
自社で作った商品で、仕入先がいない場合はどうしますか。
仕入先の代わりに、現物を測るか、作った担当者に確かめます。写真で素材を決めないことと、直す前と後を数えることは変わりません。
出典・編集情報
記事の調査で確認した一次資料です。資料の公開・更新時期と、調査時の確認日を分けて記載しています。
- How We Validate Product Dimensions at Scale With Multimodal GenAI
Wayfair · 2026-01-15
確認日 2026-10-28 - Wayfair boosts catalog accuracy and support speed with OpenAI
OpenAI · 2026-09-25
確認日 2026-10-28