仕入見積をAIで比べる:一個あたりの単価と発注できる額を分ける
仕入見積をAIで比べるときは、一個あたりの換算と今回発注できる額を分け、原文の条件を表に残します。
この記事の要点
- 見積の原文の価格と単位を、比較表にそのまま残す
- 一個あたりの換算は参考にし、今回発注できる額を別に出す
- 原文に無い条件はAIに埋めさせず、仕入先に確認する
全体像図を準備中
目次
比較表には見積の原文の価格と単位を残す

A&Aの考え方
AIの仕入見積の比較表とは、仕入先ごとの見積書をAIに読ませ、同じ商品の価格を横に並べた表です。この表にまず残すのは、見積書に書かれたままの価格と単位です。「1箱4,800円(24個入)」なら、その文字のまま1つの列に置きます。
A&Aの考え方
AIが一個あたりに割り戻した数字だけが並んだ表では、元の売り方が箱なのか1個ずつなのかが消えます。後で「この単価で30個買えるのか」を考える手がかりがなくなります。
出典に基づく事実
Googleの業務向けサービスであるGoogle Workspaceには、GeminiというAIが入っています。そのヘルプによると、利用者は複数のファイルを出典としてGeminiに渡し、ファイルをまたいでデータを比べさせられます。回答の下では、答えに使われたファイルの一覧を見られます。
出典に基づく事実
同じヘルプは、出典が表示されていてもGeminiは誤ることがあると書いています。使った出典を挙げ漏らすことや、その答えに直接使っていない文書を出典に挙げることがあり、出典をつくり出すこともあるとしています。答えに頼る前に、示された出典や、ほかに信頼できる資料で確かめるよう求めています。
A&Aの考え方
この記事を書いているAutomate & Augment(A&A)は、この説明から、AIの比較表の数字は見積書の原文と照らし合わせてから使うものだと読みます。原文の価格と単位を表に残しておけば、出典のファイルを開いたときに、どこを見比べればよいかがすぐ分かります。
仮想例
たとえば、社員6人の雑貨の卸売会社が、紙袋を30個仕入れたいとします。3社から届いた見積は、A社が「1箱4,800円(24個入)、箱単位で販売」、B社が「1個210円、最低発注数50個」、C社が「1ケース21,600円(12個入りの箱×10箱)」です。社名も数字も、この記事のための架空の例です。
A&Aの考え方
AIに比較表を頼むときは、指示に「見積書に書かれた価格と単位を、言い換えずに1列目に写す」と入れます。表ができたら3社の見積書を開き、1列目と見比べます。
一個あたりの換算と発注できる額を分ける

A&Aの考え方
一個あたりの単価は比べるための参考の数字で、その単価で買えるとは限りません。今回の数量で実際に払う額は、別の列に出します。
出典に基づく事実
Microsoftの業務システムであるDynamics 365の説明書に、発注の単位を変えたときの価格の扱いを書いた記事があります。この仕組みでは、価格は取引先との取り決めなどから引き、その価格は単位ごとに設定されている、と説明しています。
出典に基づく事実
発注の行で単位を変えると、システムは新しい単位に設定された価格を探して当てはめます。見つからなければ価格を付けません。単位の換算を使って別の単位の価格に計算し直すことはできない、と書いています。回避策として挙げているのは、発注で使う単位ごとに価格の取り決めを用意しておくことです。
A&Aの考え方
A&Aは、これを「箱の価格と1個の価格は、別々に決まる値段だ」と読みます。この業務システムは、箱の値段を入数で割って1個の値段にする作り方をしていません。AIが割り戻した一個あたりの数字も、比べるための目安です。その単価で1個から買えるという意味ではありません。
仮想例
先の例で一個あたりに直すと、A社は200円、B社は210円、C社は180円です。安い順はC社、A社、B社になります。
仮想例
30個要るときに発注できる数で計算すると、順が変わります。A社は2箱で48個、9,600円です。B社は最低発注数の50個で10,500円です。C社は1ケースの120個で21,600円です。今回払う額が一番少ないのはA社で、一番多いのはC社です。
A&Aの考え方
一個あたりの安い順と、今回払う額の安い順は、入れ替わることがあります。そこで表には、一個あたりの列とは別に、今回の発注数と余る数、支払額の列を並べます。余った分を後で使える消耗品なら、一個あたりの安さを取る判断もあり得ます。どちらを取るかは社長が決めます。税と送料は、この表では比べていません。
| 比較表の列 | 書く中身 | C社の行の例 |
|---|---|---|
| 見積の原文 | 見積書の価格と単位を、言い換えずに写す | 1ケース21,600円(12個入りの箱×10箱) |
| 一個あたり(参考) | 原文の価格を入数で割った目安 | 180円 |
| 今回の発注数と余る数 | 要る数を、見積で買える単位で満たす数 | 1ケース・120個(30個を超える分は余る) |
| 支払額 | 今回の発注数で払う額 | ケースなら21,600円。箱で買う場合は空欄 |
| 要確認 | 見積書に書いていない条件を、質問の形で | 12個入りの箱1つから買えるか。買えるなら、その価格はいくらか |
原文に無い条件は仕入先に聞いて埋める

A&Aの考え方
見積書に書いていない条件は、AIに推測で埋めさせず、要確認の列に出させます。仕入先に聞いて答えが来るまで、その仕入先を発注先に決めません。
仮想例
先の例のC社の見積には、ケースの中身が12個入りの箱10箱だと書いてあります。ただし、箱1つから買えるのか、そのときの値段はいくらかは書いていません。
仮想例
ここでAIがケースの値段を10で割り、「1箱2,160円」と埋めたとします。この数字で箱を必要な数だけ買う計算をすると、今回払う額でもC社が一番安く見えます。しかし、この数字は見積書のどこにも無い数字です。
A&Aの考え方
前の節で見たとおり、A&Aは、単位が違う値段は別々に決まるものとして扱います。
A&Aの考え方
AIへの指示には「見積書に書いていない価格や条件は空欄にし、要確認の列に質問の形で書く」と入れます。C社の行なら、要確認の列に「12個入りの箱1つから買えるか。買えるなら、その価格はいくらか」と出ます。
A&Aの考え方
要確認の質問は、そのまま仕入先への問い合わせに使えます。返事が来たら、仕入先の答えを原文の列に写し、答えをもらった日付を添えます。返事が来るまでは、C社から箱で買う場合の支払額を空欄のままにします。ケースで買う場合の21,600円は、見積書に書いてあるので表に残します。
A&Aの考え方
最低発注数や箱単位の縛りが見積書に書いていない場合も、同じ扱いにします。書いていないことは、縛りが無いという意味ではありません。
A&Aの考え方
次の表は、比較表の列と、C社の行の書き方の例です。
まとめ
A&Aの考え方
見積の原文の価格と単位を、比較表にそのまま残します。AIが示した出典のファイルを開き、原文の列と見比べます。
A&Aの考え方
一個あたりの換算は参考の列にし、今回の発注数と余る数、支払額を別の列に出します。一個あたりの安い順と、今回払う額の安い順は入れ替わることがあります。
A&Aの考え方
見積書に無い条件はAIに埋めさせず、要確認の列に質問の形で出させます。仕入先の答えが来るまで、その行で発注先を決めません。
AIの比較表の一個あたりの単価は、仕入先を比べる目安です。見積の原文の価格と単位を残し、今回の発注数と余る数、支払額を別の列に出します。見積書に無い条件は要確認として仕入先に聞き、答えが来てから発注先を決めます。
よくある質問
AIに「一個あたりの単価で比べて」と頼むのは間違いですか。
間違いではありません。一個あたりの単価は、仕入先どうしを比べる目安になります。ただ、その単価で今回の数量を買えるとは限らないので、参考の列として残し、今回の支払額の列と並べます。
税や送料も含めて比べた方がよいですか。
この記事の比較表は、同じ商品の買う単位と数量の条件だけを比べています。税や送料、支払いの条件まで含めた総額は、別に確かめます。ただ、その場合も、原文の条件を残し、書いていない条件は空欄にして要確認の列に出させる考え方は同じです。
GeminiではなくChatGPTやClaudeで比較表を作っても同じですか。
この記事の出典は、GoogleのヘルプとMicrosoftの説明書の2つです。ほかのAIで同じ注意が書かれているかは、この記事では確かめていません。列を分けて原文と要確認を残す作り方は、どのAIに頼むときにも使えるとA&Aは考えます。
出典・編集情報
記事の調査で確認した一次資料です。資料の公開・更新時期と、調査時の確認日を分けて記載しています。
- Learn how to use sources with Google Workspace with Gemini
Google Drive Help · Not shown on the page
確認日 2026-11-04 - Unit prices on purchase orders aren't calculated based on the unit conversion
Microsoft Learn · Last updated on 2024-05-16
確認日 2026-11-04