AIサービスの集客を動画発信者に頼む:登録者数より見る3つの項目
動画の発信者は、登録者数より、視聴者の仕事・完成物まで実演できるか・訴求できる範囲を守れるかの3つで比べて選びます。
この記事の要点
- 提携候補は登録者数より、視聴者の仕事で比べる
- 発信者の手元の入力で、AIサービスの完成物まで実演できるか見る
- 訴求できる範囲を守れるか、範囲を書いた1枚を候補に渡して確かめる
- 声をかけるのは1件から。来た問い合わせの職種で次を決める

目次
提携候補は、視聴者の仕事で比べる

A&Aの考え方
自社のAIサービスを動画の発信者と広める時は、候補を登録者数より、視聴者がどんな仕事をしているかで比べます。ここでいう発信者との提携とは、動画の中で自社のサービスを使って見せてもらう約束のことです。
A&Aの考え方
新規事業でAIを組み込んだサービスを始めると、説明しても使い道が伝わりにくいことがあります。届いた人数が多くても、自分の仕事に当てはめられなければ、使ってみる人は増えません。
出典に基づく事実
文章で頼むとアプリを作るAIサービスの Lovable について、顧客の下調べをAIで行う道具の会社 Clay が事例を公開しています。Clay の事例によると、Lovable が作っていたのは、それまでに無かった種類の道具でした。何ができて誰に向くのかは、まだ世の中にあまり知られていませんでした。
出典に基づく事実
何ができるかを見せる一番の近道は、動画サイトの YouTube などで、製品を実際に動かして見せられる発信者でした。製品を知ってもらい、需要を生む経路として、最も費用対効果が高かったとされています。

出典に基づく事実
Lovable は発信者の候補ごとに、平均の再生数、反応の割合、登録者数、扱う話題、視聴者の顔ぶれを集めました。そのうえで「その視聴者は、AIでアプリを作る道具で得をする人たちと重なるか」「動画の質はブランドに合うか」で採点したと出典は書いています。
A&Aの考え方
この記事を書いている Automate & Augment (A&A) は、Lovable が集めた5つの項目に注目します。そのうち、登録者数は1つにすぎません。採点の問いも、視聴者が得をする人と重なるかでした。自社に置き直すと、視聴者の仕事が、サービスを使う人の仕事と同じかを確かめることになります。
仮想例
たとえば、見積書のPDFから項目を抜き出して一覧表にするAIサービスだとします。見るのは、視聴者が見積書を日々扱う仕事かどうかです。登録者数は、届く人数の見当に使います。
完成物まで実演できるかを、発信者の手元で確かめる

A&Aの考え方
次に、発信者が自分の手元の入力で、AIサービスの完成物まで実演できるかを確かめます。AIサービスの実演とは、何を入れると何が出てくるかを、画面で最後まで見せることです。
A&Aの考え方
ここでいう完成物とは、AIサービスが最後に出す物のことです。見積書の例なら、抜き出した項目を並べた一覧表です。実演では、見積書を入れてから一覧表が出るまでを、途中を飛ばさずに見せてもらいます。
出典に基づく事実
Clay の事例が挙げた発信者は、自分でアプリを作って見せる人、開発者、技術の話をする人でした。どれも Lovable を実際に動かして見せられる人だったと出典は書いています。
A&Aの考え方
A&A は、実演に使う入力を発信者が持っているかどうかが要だと考えます。こちらが用意したデータで動かすと、視聴者は自分の仕事で使えるかを判断できません。発信者が普段扱う物で動かせば、視聴者は自分の机の上の物に置き換えられます。
仮想例
仮の例で比べます。どちらも実在の発信者ではありません。候補Aは登録者12万人で、AIの使い方を広く紹介する人です。視聴者の仕事はばらばらで、本人の手元に見積書はありません。
仮想例
候補Bは登録者4,000人で、建設業の事務を楽にする工夫を発信する人です。視聴者は工務店の事務担当です。本人は自分が扱った見積書を持っていて、一覧表を受け取る経理の人の話までできます。
仮想例
この例で、完成物まで実演できるのはBだけです。Aと組めば多くの人に届きますが、そのうち見積書を扱う人がどれだけいるかは分かりません。
A&Aの考え方
候補ごとに埋める表を、ここでまとめておきます。視聴者の仕事、実演する入力と完成物、次の節で扱う訴求できる範囲を守れるかの3つの項目に、見送る判断を加えた表です。どの発信者と組むかを上司に説明する時の1枚にもなります。
| 項目 | 何を書くか | 埋まらない時 |
|---|---|---|
| 視聴者の仕事 | 視聴者が日々どんな書類や画面を扱うか | 推測で埋めず、候補から外す |
| 実演する入力と完成物 | 発信者が自分で用意できる入力と、出てくる完成物、それを受け取る人 | こちらが入力を用意するなら、実演ではなく宣伝になる |
| 訴求できる範囲を守れるか | 1枚 (保証できる効果、言ってはいけない効果、人が確かめる工程) を渡し、その内で実演を話せるか | 1枚が書けない時は自社の説明を直す。守れない候補は外す |
| 見送る判断 | 上の3つに、推測で埋めた欄が残っていないか | 残したまま頼むと、うまくいった理由も外れた理由も分からない |
訴求できる範囲を守れるか、1枚を渡して確かめる

A&Aの考え方
3つ目に、組む候補ごとに、訴求できる範囲を守って話せるかを確かめます。訴求できる範囲とは、動画の中で言ってよいことと、言ってはいけないことの線引きです。確かめる道具として、その線引きを書いた1枚を候補に渡します。
A&Aの考え方
A&A は、この問いを自社に置き直すと、候補が自社の言ってよいことの内で話せるかになると考えます。
出典に基づく事実
企業のブランドの決まりをAIで守らせる道具の会社 brand.ai の事例を、AIを開発する Anthropic が公開しています。共同創業者は、今のブランドは顧客と出会う場面も語り口も数えきれず、決まった指針の文書には収まりきらないと話しています。
A&Aの考え方
出典が扱うのは企業のブランドの運用で、発信者との提携の話ではありません。それでも A&A は、厚い資料を渡しても動画の中の言葉までは決められない点で、両者は同じだと考えます。だから、組んだ後に資料を渡して任せるのでなく、組む前に候補がその範囲で話せるかを見ます。

A&Aの考え方
1枚に書くのは3つです。保証できる効果、言ってはいけない効果、人が確かめる工程です。AIの出力には誤りが混じることがあります。
仮想例
見積書の例なら、保証できる効果は、PDFの見積書から項目を抜き出して一覧表にするところまでです。「確かめずにそのまま経理へ回せる」は、言ってはいけない効果です。「抜き出した結果は人が確かめる」とは、動画の中で言ってもらいます。
仮想例
確かめ方の例です。候補に1枚を渡し、実演の流れを本人の言葉で話してもらいます。「そのまま経理へ回せる」と言わずに、人が確かめる工程まで話せる候補を残します。
A&Aの考え方
この1枚が書けないなら、原因は発信者にはありません。自社のサービスが誰の何に効くのかを、まだ言葉にできていないという合図です。その時は、候補を増やす前に、サービスの説明を直します。確かめた結果は、前に示した表の、訴求できる範囲を守れるかの行に書きます。
声をかけるのは1件から。結果で次を決める

A&Aの考え方
声をかけるのは、まず1件です。その1件の後に来た問い合わせの職種を見て、候補を増やすかを決めます。
出典に基づく事実
Clay の事例によると、Lovable の担当者は発信者との提携を、小さく始めて仮説を確かめ、効いたものを大きくする進め方で行いました。担当者は「当たったものが出てきたら、そこから量を増やす」と話しています。
出典に基づく事実
Lovable の創業者は2023年の初め、開発者がAIで速く作れるようにする試作を公開しました。一気に広まりましたが、使いに来たのは、作った時に想定した開発者ではなかったと Anthropic の事例は書いています。
A&Aの考え方
A&A は、小さく始める進め方と、想定と違う人が使いに来たという話の2つを並べて、1件目で見る物を決めます。見るのは再生数より、実演の後に来た質問と問い合わせです。来た人の職種が、表で想定した視聴者の仕事と合うかを確かめます。
A&Aの考え方
1件では分からないこともあります。報酬の相場、続けて組めるか、別の発信者でも同じ結果が出るかは、1件の結果からは決まりません。
A&Aの考え方
この数字は、道具を売る会社が出した顧客の事例で、外部の検証を経たものではありません。Lovable は、需要が大きく立ち上がっていた会社でもあります。自社の見込みを立てる材料にはならず、知られていないサービスなら断られる方が普通だと見ておきます。
まとめ

A&Aの考え方
提携候補は、登録者数より視聴者の仕事で比べます。
A&Aの考え方
発信者の手元の入力で、AIサービスの完成物まで実演できるかを見ます。
A&Aの考え方
訴求できる範囲を守れるか、範囲を書いた1枚を候補に渡して確かめます。
A&Aの考え方
声をかけるのは1件からです。来た問い合わせの職種で次を決めます。
動画の発信者を選ぶ時は、登録者数を届く人数の見当にとどめ、視聴者の仕事、完成物まで実演できるか、訴求できる範囲を守れるかで候補を絞ります。次に決めるのは、候補に渡す1枚の中身と、最初に声をかける1件です。
よくある質問
登録者数は見なくてよいのですか。
見ます。ただし、届く人数の見当に使い、組む相手の判定には使いません。判定には、視聴者の仕事、完成物まで実演できるか、訴求できる範囲を守れるかを使います。
発信者に払う報酬はいくらが相場ですか。
この記事では確かめていません。国内の報酬の相場と、お金を払って頼む時に広告であることを示す決まりは、組む前に確かめる必要があります。1件の結果からも、適正な報酬は決まりません。
納品まで時間のかかるサービスでも使えますか。
向きません。この選び方は、短い時間で完成物まで届くサービスで成り立ちます。納品に数週間かかるサービスは実演を作れないため、紹介や個別の提案の方が合うと A&A は考えます。
出典・編集情報
記事の調査で確認した一次資料です。資料の公開・更新時期と、調査時の確認日を分けて記載しています。
- How Lovable uses Clay to scale one of the fastest-growing startups in history
Clay · undated customer-story page; no visible publication date
確認日 2026-10-24 - Lovable helps anyone create software 20x faster with Claude
Anthropic · undated case-study page; no visible publication date
確認日 2026-10-24 - Brand.ai uses AI to make brands more human with Claude
Anthropic · undated case-study page; no visible publication date
確認日 2026-10-24